研究課題/領域番号 |
19K01369
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齊藤 真紀 京都大学, 法学研究科, 教授 (60324597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス |
研究実績の概要 |
本年度は、EUにおいてこの数年急速で進行しているサステナビリティ関連立法の動向について、文献等のリサーチを進め、ヨーロッパの関係者へオンラインによるヒアリング、現地における意見交換を実施した。とりわけ、EUのサステナビリティ報告指令の立法およびそれに関連する金融機関等に対する規律について重点的に調査を進めた。そのうちの一部について、研究会において報告し、関係者と意見交換を行った。我が国とEUにおける議論状況を対照する過程で、EUにおいては、会社法上のエンフォースメントメカニズムにかかる裁判規範だけでなく、市場メカニズムを通じた規律の在り方も重視されており、その状況を比較対照することが議論の深化に資することが明らかとなった。我が国においても、サステナビリティ関連情報の公表にかかる規律の整備が進んでいるが、その制度的位置づけの評価はさまざまであり、他方で、会社法上のサステナビリティ関連の議論は狭い意味での会社法の目的によって議論の方向性を画定される傾向にある。このような我が国の議論において、EUにおける動向からどのような示唆を得られるのか引き続き検討することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍によるさまざまな制約が解消され、従来の研究環境が取り戻されつつあるため、昨年度よりも作業が進みやすかった。他方で、航空運賃等の高騰や航路の制限などで、現地調査の実施や関係者の招聘の実施が困難になっており、研究方法を修正しながら対応していくことを検討中である
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今後の研究の推進方策 |
既に研究成果の一部は、公表される予定であるが、そこでカバーされていないテーマについて、論稿を執筆し、公表していくことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費等について、他の業務と合わせて実施することができ、当初より少ない支出で済んだ。他方で、重要な文献を収録するデータベースには、非常に高額になるものがあり、本年度も、そのようなデータベースを通じて、これまでのリサーチを補足する予定である。また、スケジュールおよび予算が許せば、海外出張による現地調査も実施したいと考えている。
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