研究課題/領域番号 |
19K01374
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高橋 英治 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (40275235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 開業の自由 / ヨーロッパ連合 / 指令 / 会社法 |
研究実績の概要 |
ヨーロッパ会社法は、ヨーロッパ連合(EU)の会社法秩序を指し、ヨーロッパ連合運営条約に定められている基本的自由(開業の自由・資本移動の自由)とこれに対するヨーロッパ裁判所の判例を基礎とし、様々な指令や規則から成る複雑な規範の総体である。ヨーロッパ会社法を構成する四つの主要要素は、開業の自由・ヨーロッパ会社法指令・ヨーロッパ模範会社法・ヨーロッパ株式会社(SE)に代表される超国家的会社形態である。 1957年のヨーロッパ経済共同体(EEC)条約の調印から60年以上、1993年のヨーロッパ連合(EU)の発足から四半世紀以上が経過した。現在、ヨーロッパ連合の会社法秩序もその基礎が確固としたものになりつつある。近年の日本のヨーロッパ会社法研究は、ヨーロッパ会社法上の新しい動き(ヨーロッパ裁判所の新しい判決や指令の改正)がある毎に、変化した部分を断片的に紹介するものが多かった。日本のヨーロッパ会社法研究を前進させるためには、ヨーロッパ会社法の全体像を示す必要がある。 本年度は、ヨーロッパ会社法の基礎となる開業の自由について研究を進め、論文を発表した。高橋英治「ヨーロッパ会社法の構造(1)――ヨーロッパ会社法としての開業の自由と資本移動の自由」法学雑誌65巻3=4号pp.730-804(2019年12月28日)がそれである。 また、ヨーロッパ指令についても研究を進め発表した。高橋英治「ヨーロッパ会社法の構造(2)――ヨーロッパ会社法指令・その1」法学雑誌66巻1=2号pp. 80-130(2020年3月27日)がそれである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「ヨーロッパ会社法概説」という単著を出版する予定であるが、それが大幅に進展した。2020年度にも完成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず、「ヨーロッパ会社法概説」の完成に全力を尽くす。その後、ヨーロッパ会社法研究の知見を生かし、日本の会社法の解釈論および立法論を展開していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、全国銀行学術研究振興財団の研究助成金も頂いたので、資金が潤沢に存在したため。
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