研究実績の概要 |
本研究は当初、当該年度が最終年度の予定であったが、「進捗状況」に示すように、ドイツ、台湾、中国における未成年後見の運用に関する実態分析の作業が滞った結果として、研究完成年度を1年延長することとした。そのため、本格的な研究成果の公表も1年ずれ込むこととなった。このような事情から、当該年度では、海外渡航が不可能であるという制約の下、近時刊行された文献等を中心に、可能な範囲での実態把握に努めた。とりわけ、ドイツ改正未成年後見法に関しては、連邦司法・消費者保護省(Bundesministerium der Justiz und fuer Verbraucherschutz)のみならず、連邦家庭・高齢者・女性・青少年省(Bundesministerium fuer Familie, Senioren, Frauen und Jugend)によっても啓発用・解説用リーフレットが作成され、また実務向け解説を中心としたハンドブック等も種々公刊されるようになったことから、それを用いた検討を行った。中心は、未成年後見人と養育者(Pflegeperson)との関係および権限を定めるBGB1796条と1797条に関する立法事実の検討である。 なお、中国法・台湾法の検討はほとんど進めることができなかった。例えば予定していた台湾の公益団体へのヒアリングは全く実施できていない。 この作業をもとに、最終年度は、社会状況が許す範囲で実態調査を進め、まずはドイツにおける後見人と養育者との連携状況を明らかにしたい。
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