研究課題/領域番号 |
19K01379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大場 浩之 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10386534)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 物権債権峻別論 / 物権法 / 物権法定主義 / 制限物権 / 物権種類論 / 物権効力論 / 物権変動論 / ドイツ法 |
研究成果の概要 |
物権の典型例である所有権は物権の性質とされる直接性・絶対性・排他性を有するとされるが、あらゆる所有権にこれらがすべて認められるわけではないし、所有権以外の物権も同様である。また、債権の典型例である金銭債権の性質は間接性・相対性・非排他性にいつもとどまる、というわけではかならずしもない。 すなわち、物権と債権を分ける基準は、まさに物を対象とするのか、それとも、まさに人を対象とするのか、に尽きると考えられる。したがって、絶対効を有するから物権的権利、相対効しか有しないから債権的権利、と解するのは正しくない。このような理解は、物権と債権の区別を維持する場合にも、むしろ混乱をもたらす。
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自由記述の分野 |
民法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
たしかに、典型的な物権は絶対効を有し、典型的な債権は相対効しか有しない。また、この限りにおいて、物権法定主義は重要な意義をもつ。そして、これらの原則としての思考様式は今後も意義をもつだろう。しかし、物権と絶対効、債権と相対効は、必ず結びつくという関係性にあるわけではない。 物を対象とする権利が物権であり、人の行為を対象とする権利が債権である。物権と債権の区別についてはこの基準にのみ従うこととした上で、日本の民法典の体系を再構成することが必要である。本研究における分析は、今後の民法における権利論や体系論に有益な示唆を与えることとなろう。
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