当時「代償請求権」は,わずかに拙著『代償請求権と履行不能』(2018)による研究の他は,未開拓の研究領域であった。本研究は,拙著において指摘していた諸問題,つまり代償請求権と他の諸制度(とりわけ売買・相続)との関連を検討することを目的とした。 具体的には,①まず,単行書および翻訳書を計2冊脱稿した。単行書は『ドイツ売買論集』(2021)であり,代償請求権論と関連させて日本法の解釈にまで立ち入って学説を公表した。また,翻訳書は『ドイツ相続法』(2024予定)である。②また,2回の私法学会大会個別報告(「代償請求権と履行不能」(2019)および「ドイツ売買論の現在」(2021))を実施した。
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