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2021 年度 実績報告書

成年後見制度の利用促進に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01397
研究機関広島大学

研究代表者

神野 礼斉  広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (80330950)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード成年後見 / 任意後見 / 市民後見人 / 地域連携ネットワーク / 医療同意 / 後見制度支援預貯金 / 世話法 / インフォームドコンセント
研究実績の概要

令和2年3月、「成年後見制度利用促進専門家会議」は、「成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画」についての中間検証報告書をとりまとめた。「利用促進法からみる成年後見制度の展望」ケース研究343号では、この中間検証報告書において取り上げられた利用促進に関する諸課題の中から幾つかを取り上げ、若干の検討を試みた。具体的には、現行の法定後見制度の3類型を維持すべきかどうかは今後の検討課題であるが、現行法においても、本人に対する能力制限の程度が小さく、また、柔軟な援助を可能とするところの保佐類型や補助類型の利用の促進の重要性を指摘した。また、成年後見人による不正行為の防止に関しては、家庭裁判所による選任・監督体制の充実、後見制度支援信託や後見制度支援預貯金の拡大、弁護士会等の専門職団体による監督の強化、さらには、地域連携ネットワークの構築による成年後見人の支援、さらに進めて、ドイツ法などを参考に重要な財産処分に裁判所の許可を要求することなどについて検討した。
任意後見制度に関して、近年公表された裁判例については、「任意後見人としての適格性」実践成年後見No.96号、「任意後見契約法10条1項にいう『本人の利益のため特に必要があると認めるとき』の意義」判例時報2502号(判例評論755号)、「任意後見と法定後見との関係」民商法雑誌157巻6号の各評釈論文を執筆した。近年、法定後見開始の申立てをした親族に対する対抗措置として、他の親族が任意後見契約を締結する事例もみられる。地域連携ネットワークが構築されることによって、濫用が疑われる任意後見や委任契約の早期発見、それに対する市町村長による法定後見の申立てといった対応も重要となろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 利用促進法からみる成年後見制度の展望2022

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      ケース研究

      巻: 343 ページ: 24-57

  • [雑誌論文] 任意後見人としての適格性2022

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      実践成年後見

      巻: 96 ページ: 116-123

  • [雑誌論文] 任意後見契約法10条1項にいう「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」の意義2022

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: 2502 ページ: 144-149

  • [雑誌論文] 任意後見と法定後見との関係2022

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 157-6 ページ: 192-197

  • [雑誌論文] 民法916条にいう『その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったとき』の意義2021

    • 著者名/発表者名
      神野礼斉
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: 2481 ページ: 108-113

  • [図書] 権利擁護を支える法制度/刑事司法と福祉(社会福祉学習双書2022)2022

    • 著者名/発表者名
      菊池馨実ほか(編)/神野礼斉(分担執筆)
    • 総ページ数
      20/338
    • 出版者
      全国社会福祉協議会

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公開日: 2022-12-28  

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