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2019 年度 実施状況報告書

消費者の財産的被害の集団的回復手続の拡充:行政との連携及びADR活用の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 19K01400
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

工藤 敏隆  慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 准教授 (50595478)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード集合的権利保護 / 裁判外紛争解決手続 / 消費者法
研究実績の概要

イベロアメリカ地域における、行政機関が消費者の集団的被害回復のための訴訟提起・追行を行う制度や、裁判外紛争解決手続(ADR)を運営する制度の実情について、文献資料の収集および分析を行った。2019年度は特に、勅令法231/2008に基づくスペインの消費者仲裁委員会(junta de arbitraje de consumo)を重点的に調査し、同委員会は中央政府および地方自治体レベルで複層的に設置されており、活動の中心は県や市レベルであること、メディエーションを前置する仲裁手続(いわゆるmed-arb型)であること、オンライン手続が発達していること、運営の細部は自治体によって異なること等が判明した。
また、2019年10月にベトナムのハノイ法科大学で開催された、「民事紛争の裁判外における解決手続に関するディスカッション:日本の経験から」と題する研究会(主催:ハノイ法科大学、慶應義塾大学大学院法務研究科グローバル法研究所)において主報告を務め、ADRの活性化のための立法政策や、訴訟との関係等について考察したうえで、質疑を通じてベトナムと日本の状況について比較を行った。
加えて、同年11月に神戸で開催された第16回世界訴訟法会議(主催:国際訴訟法学会、国際訴訟法学会2019年世界大会組織委員会、日本民事訴訟法学会)に参加し、研究課題に関係する報告を聴講したほか、休憩時間等を利用し、様々な国の研究者と研究課題に関する情報・意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献資料により、イベロアメリカ地域における消費者の集合的権利保護手続について幅広に情報を収集した上で、スペインの状況についてある程度深い調査を行うことができた。さらに、同国内のいくつかの地方における制度運用の実態について、2020年春に現地でのインタビュー調査を計画しアポイントを取り付けていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、やむを得ず実施を断念した。そのため当初計画よりも、やや遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスのパンデミック収束の見通しが不確実であるため、2020年度は、当面文献資料による調査を継続する。重点的な調査対象として、イベロアメリカ諸国の中でも、特に行政庁が消費者集団訴訟において大きな役割を果たしているメキシコの実情について、論文発表を目指し調査結果の取りまとめを行う。また、スペインの実情についても、現地の状況に応じて、対面インタビュー以外の方法も活用して調査を継続する。

次年度使用額が生じた理由

2020年3月にスペインでのインタビュー等による調査を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期を余儀なくされ、予定外の未使用額が生じた。これについては今後、パンデミックが収束し海外渡航が可能になった段階で、海外での調査費用に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 民事紛争の裁判外における解決手続に関するディスカッション:日本の経験から2019

    • 著者名/発表者名
      工藤 敏隆
    • 学会等名
      ハノイ法科大学・慶應義塾大学大学院法務研究科グローバル法研究所国際ワークショップ
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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