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2019 年度 実施状況報告書

消費者脆弱性の制御をめぐる比較法政策学的研究―脆弱な消費者を包摂する契約制度

研究課題

研究課題/領域番号 19K01403
研究機関法政大学

研究代表者

菅 富美枝  法政大学, 経済学部, 教授 (50386380)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード消費者脆弱性 / 状況的脆弱性 / 国際標準化機構(ISO) / 金融包摂 / 市場改革
研究実績の概要

本課題研究初年度である2019年度は、本課題研究の主題である「消費者脆弱性の制御」に関する考察を深めるにあたり、基礎資料についての調査を丁寧に行うことに努めた。具体的には、N・マックブライド氏の著作『Contract Law』の完全訳出に向けて翻訳作業を進め、出版の下準備を行った。
また、研究成果の多方面における発表に努めた。第一に、日本経済団体連合会21世紀政策研究所における研究プロジェクト「高齢者の自立と日本経済」に参加し、市場において消費者脆弱性の制御を図ることを通して高齢者が自立的な経済活動を持続できる可能性について、報告書を作成した。第二に、招聘を受けた立命館大学修復的司法セミナーにおいて、「高齢者の消費者被害の修復と予防」と題する講演を行った。第三に、日本弁護士連合会人権擁護大会シンポジウム第二分科会実行委員会の招聘を受け、脆弱な消費者を包摂する英国の法制度と執行体制について研修を行った。第四に、G20「高齢化と金融包摂」ハイレベルシンポジウムへの招待を受け、事前質問票にて、高齢者を狙い打ちする悪質事業者に対する強固な執行体制の創設、契約書や条項の透明化・明白化、サービスの公正化に向けた市場改革の必要性について問いかけた。第五に、国際標準化機構ISO/PC311国内委員会の委員として、インクルーシヴなサービス提供を目指す国際規格化の議論に参加した。
さらに、2018年度に出版した『新消費者法研究ー脆弱な消費者を包摂する法制度と執行体制』が、第4回津谷裕貴消費者法学術実践賞(学術)を授かった。受賞スピーチでは、特に、消費者脆弱性が契約締結時の外部条件・環境に依存する点を強調し、消費者脆弱性が存在することは、むしろ市場の(あり方の)問題であり、その制御・解消は、あらゆる消費者の主体的に決定する権利の向上と共に、真に公正な競争を実現を図る上で重要であることを主張した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年3月20日から4月1日まで、英国における現地調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大のため、直前になって中止を余儀なくされた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、参加予定であった多くの国際学会が2021年度に延期となった。だが、インターネットを利用したウェブセミナーシステム(Webinar)を利用することで、国際共同研究をできる限り続けていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2020年3月20日から4月1日まで、英国における現地調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染を受けて、直前になって渡航中止を余儀なくされた。また、本年度参加を予定していた、マドリッド、ロンドン、ブタペストにおける国際学会が、いずれも2021年度に延期となったため、対面的な国際共同研究(海外渡航)については、2021年度を待って実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 「高齢者の自立と市場のあり方」『高齢者と自立と日本経済』2020

    • 著者名/発表者名
      菅富美枝
    • 総ページ数
      130
    • 出版者
      21世紀政策研究所

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公開日: 2021-01-27  

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