研究課題/領域番号 |
19K01432
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高林 龍 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (90277765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | デザイン / 意匠法 / 応用美術 |
研究実績の概要 |
本研究は、意匠法をゼロベースで再検討し、日本におけるデザイン保護法の具体的な立法提言のとりまとめを通じ、デザインプロセスの理解に基づくデザイン保護法の理論の創出を目的とするものである。申請当初の予定では、2021年度は、前年度までの成果をもとに、デザイン特有の性質に適合したデザイン保護法の理論を検討し、立法提言を取りまとめる予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究会の実施は極めて困難となることや、資料へのアクセスも大きく制約されることに鑑みて、2021年度においては、立法提言の取りまとめを視野に入れつつも、比較法的見地からの分析とデザインプロセスと法的保護の関係の分析という2つのアプローチから検討を並行して継続する形で、2020年度の実績報告書において予定を変更した。 デザインの現場における活動プロセス(デザインプロセス)と法的保護の関係の分析に関しては、前年度から引き続き、研究代表者が副会長を務める「デザインと法協会」における活動を通じて、デザイナーやデザイン保護にかかわる法律実務家などとの意見交換をオンラインでの活動を中心に継続している。このなかで、仮想空間をめぐる技術・創作の進展が顕著なものとなっており、デザイン保護の在り方をめぐる議論においてその法的保護に関して注目される分野となりつつあることから、仮想空間に係る技術・創作にかかわる企業関係者及びデザイナー/クリエイター、そして法律関係者を交えた一般公開の研究会の開催の準備を行った(開催は翌年度の2022年度)。 次年度においては、これまでの成果をもとに、デザイン特有の性質に適合したデザイン保護法の理論を検討し、立法提言の取りまとめに向けた作業を行うこととしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請当初の予定では、2021年度は、前年度までの成果をもとに、デザイン特有の性質に適合したデザイン保護法の理論を検討し、立法提言を取りまとめる予定であった。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響や、研究協力者の所属研究機関の変更等の事情により、デザインの現場における活動プロセス(デザインプロセス)と法的保護の関係の分析に関しては継続した研究が実施できた一方で、比較法的見地からの分析がなかなか進展しなかったのが実情である。 これらに鑑みれば、やや遅れているものと言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
申請当初の予定では、最終年度においては、これまでの成果をもとに、デザイン特有の性質に適合したデザイン保護法の理論を検討し、立法提言を取りまとめる予定であった。 次年度においては、これまでの、比較法的見地からの分析とデザインプロセスと法的保護の関係の分析という2つのアプローチからの成果をもとに、デザイン特有の性質に適合したデザイン保護法の理論を検討し、立法提言の取りまとめに向けた作業を行うこととしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響の拡大により、当初予定していた意見交換のための招聘・出張が実施不可能となってしまったことから、旅費等に要する費用が執行できなかったため。 今後は、文献調査を中心とした比較法的見地からの分析のための資料収集や、オンラインシンポジウムの実施のための費用等に充当する。
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