ヘイトスピーチが社会問題化するものの、ヘイトクライムまでも問題化するに至っている今日、前者が社会的排除と暴力を煽動することで後者が生じる循環的連関性のある行動として捉え、刑事的対応と非規制的他対応を検討した。とりわけ①SNS上のヘイトスピーチをヘイトクライムの導因と理解し、②EUのデジタル・サービス法の施行と、EUやドイツ等のSNS規制の意義と削除やブロッキングに内包する法的問題を検証し、③ヘイトクライムに対する刑事司法実務並び立法について諸外国との比較研究を通じて、④差別動機や偏見・憎悪感情に基づく行動に対して、民間資源の活用による非規制的対応や修復的司法の手法を取り入れた。
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