わが国の政治学において、一部の例外を除き、司法制度はほとんど分析の対象とされてこなかったが、近年、わが国司法をめぐる政治学的分析が始まりつつある。本研究はこれらの研究をさらに発展させる試みとして位置づけうる。 また従来、司法をめぐる研究の圧倒的大部分はアメリカを対象としていた。ようやくこの20年ほどの間にTom Ginsburgらによる比較憲法研究や、Georg Vanbergによるドイツ憲法裁判所の研究などアメリカ以外の先進国の司法をめぐる比較政治学的研究にが始まっており、しかしこれらの比較政治学的研究の中で日本が主たる分析対象として扱われることは少なく、本研究はこの間隙を埋めるものである。
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