研究課題/領域番号 |
19K01455
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
坂根 徹 法政大学, 法学部, 教授 (30567491)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スマトラ沖大地震・津波 / アチェ / インフラ復興 / 災害遺産 / 火山 / インドネシア / アグン / 日本 |
研究実績の概要 |
本研究課題の3年目にあたる今年度は、本研究課題が分析対象とするASEAN域内で発生した未曾有の大災害であった2004年12月26日のスマトラ沖大地震・津波を取り上げ、最大の被災地となったインドネシアのアチェ州を主な分析対象とする日本の先行研究の調査分析を行った上で、特に、インフラ復興と災害遺産の活用に焦点を当てて、同州の州都で死者・行方不明者が約7万人と市の人口の約3分の1が犠牲となりインフラも甚大な被害を受けたバンダアチェ市及びその周辺での視察調査等による現地の現状分析を中心とした考察を行った。そしてその研究成果を、「2004年スマトラ沖大地震・津波後のアチェにおけるインフラ復興と災害遺産の活用―日本の先行研究及び現地の現状分析を中心とした考察―」と題する論文に取りまとめ、国際開発学会第22回春季大会で報告した。 今年度はまた、ASEAN諸国の中で特に日本と同様に地震・津波以外にも様々な災害が多発する最重点研究対象国であるインドネシアについて、これまでの本研究では分析対象としていなかった火山災害を取り上げ、同国のアグン火山についての過去の災害や現在のリスク等について把握すると共に、現在の同火山への警戒観測拠点の視察も行った。そして、同火山の地元自治体であるカランガッサム県庁を訪問して同県知事をはじめとした幹部と面会し、アグン火山の防災や日本への期待等についての情報を収集すると共に、日本の火山と防災等に関する取り組みを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も新型コロナウイルスの状況下ではあったが、昨年度に引き続き、海外研究協力者の協力も得て、また、後年度予算の一部を前倒し執行して本研究を推進でき、その結果、本研究課題の重要な分析対象についての研究実績の概要に示した研究成果の取りまとめと発表を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、大学院で役職に就任となりその遂行に当初の予想以上にエフォートを充当する必要が出てきているため、本研究課題については当初の予想よりも少ないエフォートでの効率的・効果的な研究推進に留意していく。
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