本研究課題の4年目にあたる今年度は、大学院研究科の研究科長兼専攻主任の役職を務めることになったため、本研究課題に費やすことができたエフォートは大幅に制限された。そのような中で今年度は昨年度に引き続き、本研究課題が分析対象とするASEAN域内で発生し同域内外の様々な国・地域に多大な被害をもたらした未曾有の大災害であった2004年12月26日のスマトラ沖大地震・津波で最大の被災地となったアチェ州を分析対象として、シドニー大学がホスト校として2022年9月29-30日に開催された the 14th Aceh International Workshop and Expo on Sustainable Tsunami Disaster Recovery (AIWEST-DR 2022) -Inclusive and Integrated Disaster Risk Reduction において、 “Disaster Preparedness in Reconstruction of Infrastructures and Preservation of Disaster Heritages in and around Banda Aceh City” と題する報告を行った。この中では、近年の同国際学会での発表動向を上記報告との関係で紹介した上で、アチェ州の州都で人命やインフラを含めて甚大な被害を受けたバンダアチェ市及びその周辺における将来の大災害に備えたインフラ復興の成果や、災害遺産の状況と将来の更なる活用等について論じた。
|