研究実績の概要 |
本研究は、アメリカでゲーテッドコミュニティが拡大している背景として「公的政府」たる基礎自治体の創設(法人化)との関係に注目をし、HOA(Home Owners Association)と自治体という公私政府による自治創造と制度選択の動態を明らかにすることにより、「なぜアメリカでゲーテッドコミュニティが拡大しているのか」という問いに対し、制度上の要因を明らかにすることを試みる研究である。 2023年度に入って渡航に係る制限がほぼなくなったため夏季休暇期間中にカリフォルニア州での現地調査の準備を進めていたが、円安に伴う航空券と現地滞在費の高騰により、需要期である夏休み期間中の渡航を諦めざるを得なかった。そのため2023年度前半は文献研究を行い、Cheng, S & Guo, H. (2021). The interplay between private and public governments: the relationship between homeowner associations and municipal finance. Local Government Studies, 47(5), 759-783, など、HOAの登記の制度が整っているカリフォルニア州やフロリダ州のデータを用いた自治体の歳出との関係に関する実証研究の把握を行った。上記の研究でも“Private Government”たるHOAが自治体内で増えるほど所在自治体の歳出が減ることが確認でき、HOAと自治体の間の戦略的な相互関係に関する実証研究の積み重ねを確認することができた。 2024年3月の春休み期間中にカリフォルニア州の州都であるサクラメントを中心に現地調査と資料収集を行うことができた。コロナ禍以来の渡航であり、カリフォルニア州立大学バークレー校政府研究所や付属図書館への訪問なども行った。
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