まず、文化的多数派の文化防衛が正当化される条件として、それは多数派とは異なるアイデンティティを持つ少数派を尊重する場合にのみ、正当化されうることをカナダの事例を通じて示した。また、文化的多数派の文化的権利を考察する上で、文化集団内の多様性やインターセクショナリティへの注目も不可欠である。文化的多数派は、しばしば伝統や文化を維持することの重要性を主張するが、これは多数派の特権を維持するための方策ともなりうる。より公正な仕方で多数派の文化防衛を正当化するためには、文化的多数派に属する女性からの視点も重要となる。
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