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2020 年度 実施状況報告書

移住のグローバル正義論の構築に向けた政治哲学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01465
研究機関関西学院大学

研究代表者

白川 俊介  関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (50737690)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード領土の政治理論 / リベラリズム / ナショナリズム / グローバル正義
研究実績の概要

本研究は、A.理論的な予備的考察:リベラル・ナショナリズム論のグローバル正義論の批判的陶冶および、B.移住にかかわるいくつかの関連する哲学的課題に
ついての考察、という二つの研究を柱としている。
本年度は、A・B両者の研究にまたがり、その知見を深め、かつ、当該研究領域における我が国の研究レベルの発展・向上の一助のために、マーガレット・ムーア著『領土の政治理論』の訳出・校正作業に注力した。本書は、2020年10月下旬に刊行することができた。
訳出のうえで得た知見は、A:リベラル・ナショナリズム論のグローバル正義論の批判的陶冶という点では、ムーア氏のリベラル・ナショナリズム論に対する批判に対して、私なりに批判的に応答する一つの重要な手がかりとなり、B:移住にかかわるいくつかの関連する哲学的課題についての考察という点では、移民および難民を受け入れる/拒否する国家の権利についての正当化論として、ムーア氏の領土的管轄諭がどこまで有効かを検討したり、人々が元居た場所に戻る権利(帰還権)や天然資源に関する権利といった関連する議論の検討を行う上での重要な手がかりとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、とりわけ翻訳作業に多くの時間を割いたために、研究計画と比して、アウトプットまでいかなかったという意味では、若干の遅れが生じてはいるとはいえる。けれども、翻訳作業は大いに知的な作業であり、本研究を遂行するうえでの多くの知見を得たことは間違いなく、必要かつ有意義な作業であった。

今後の研究の推進方策

研究計画を変更する必要はさほど感じではいないけれども、アウトプットについてはやや遅れているのは事実であるので、これまでに得た知見を踏まえて、諸々活字化する作業に今後は注力したい。

次年度使用額が生じた理由

最大の理由は、今年度は3ヵ年のうち、最も予算を多く見込んでいたけれども、新型コロナウイルス感染拡大の影響が思いのほか長引いたおかげで、予定していた出張などが全てキャンセルされてしまったためである。次年度に旅費としての繰り越し使用を見越していたが、このところの状況だと、旅費としての支出はほぼ見込めないので、この残額は、次年度の物品費および論文校閲費などに充てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 領土の政治理論2020

    • 著者名/発表者名
      マーガレット・ムーア、白川 俊介
    • 総ページ数
      388
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      9784588603617

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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