2010年末から、長期軍事政権下にあったミャンマーが急速に民主化へ転換した。なぜ軍事政権が急に権力を自ら移譲したのか。既存研究は、主に構造的な要因を中心のpower-basedアプローチでの分析である。本研究は認知転換(perception change)と民主化の理論をベースに、内政・外交連動の視点を持ち、認知転換の分析枠組みを構築し、1990年以降のミャンマー軍政中枢の民主化への認知変遷を追跡した。その上で、事例を用いて軍事政権中枢の中心人物を含む重要な当事者への直接聞き取り調査を通じ、民主化における政権中枢の認知転換のメカニズムを解明した。
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