研究課題/領域番号 |
19K01489
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
城戸 英樹 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (30582358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政府間関係 / カナダ政治 / 政党組織 |
研究実績の概要 |
今年度は、中間成果の公表に向けて、カナダでの資料収集と海外学会報告を予定していた。しかし、コロナ禍のため海外渡航に制限がかかり、いずれも断念せざるを得なかった。夏季休暇までは、海外渡航を含んだ研究計画を進めていたが、コロナ禍が長期化することが確実な状況になる中で、研究計画の再検討を実施した。具体的には、海外に渡航する必要のない範囲で中間成果の完成に向けて研究計画を実施するため、国内からアクセス可能なデータや資料の収集と文献調査を行った。 夏季休暇中にオンラインで入手可能なデータの特定を行い、9月以降データの収集及び整理を実施した。具体的には、1988年以降のカナダ連邦下院議員の経歴に関わるデータを収集し、議員になる前と後の州レベルの政治経験に関わるデータセットを構築した。また、この作業と並行して、政治家の政府レベルを超えた移動に関わる先行研究を収集し、分析枠組みの構築を行った。 これらのデータセットと分析枠組みに基づいて論文の執筆を進め、3月に「カナダにおける連邦・州関係―政治家の移動から見た中央地方関係」というタイトルで本の1章として公表した。この中では、カナダにおいて、一貫して州から連邦への移動がより多く生じていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本からアクセス可能なデータなどに基づき、中間成果となる論文を公表することができた点で、おおむね順調な進捗であるといえる。他方で、コロナ禍の下で、海外への移動が制限される中、カナダに渡航して資料収集や専門家ヒアリング等が実施できないという困難が生じている。また、研究へのフィードバックを受ける重要な場である海外学会への参加が制約されていることなどの課題がある。そのため、今後の進捗については、不確実性が大きいと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による海外への渡航制限という非常に厳しい状況がある。世界各国でワクチン接種が進んでいるが、2021年度中に海外調査を実施できるかどうかは予断を許さない。 今研究の完成にとって、カナダでの現地調査(資料収集及び専門家や政治家へのインタビュー調査)は不可欠の要素である。このため、コロナ禍の状況を見極め、研究期間の延長も含めた対応を考えたい。 他方で、これまでは中間成果の公表までほぼ順調に研究を進めてくることができた。海外学会への参加もオンラインという形で可能な限り実行する予定である。また、最終成果の取りまとめに向けて、日本国内からアクセス可能な資料に基づいて研究を進めることも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、本年度に実施予定であった海外調査と海外学会報告が実施できなかった。それに伴い、海外旅費がかからず次年度使用額が生じた。次年度は、これらの海外調査を実施することにより、海外旅費として使用する予定である。ただし、コロナ禍の状況によっては、翌年度への繰り越し申請をすることも検討する。
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