研究課題/領域番号 |
19K01492
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
上子 秋生 立命館大学, 政策科学部, 教授 (70378503)
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研究分担者 |
村山 皓 立命館大学, 政策科学部, 授業担当講師 (50230016) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 民主主義 / 行政 |
研究実績の概要 |
本研究は、効率よく有効な政策実施に向けての地方行政の機構と機能が、地方自治体の規模に左右されるとの仮定を検証しようとするものである。これについて、近年、いわゆる「平成の大合併」として合併が進められたことによって、規模の変化を生じた我が国での事象を中心対象とし、同様に合併による規模の違いが生じつつあるノルウェーでの事象も参照しつつ研究を行ってきたところである。 本年度においては、当初の計画に基づく最終年度でありることもあり、本年度で終了することを念頭に置きつつ、これまでの研究成果を整理し、研究代表者上子秋生と分担研修者村山皓で議論の上、その主要な部分について、村山皓がとりまとめ、立命館大学政策科学部の紀要である「政策科学」(第29巻第1号)に発表したところである。そこにおいては、代表を国民が選んでそれによる統治を受ける代表制に依拠する民主主義だけでなく、国民が行政主体に直接働きかけ、それに行政が応答することによる行政の応答性に依拠する民主主義の重要性を指摘したところであり、また、その形態が民主主義の規模により異なりうることを指摘した。 また、上子においては、この行政の民主主義の一分野となりうるものの、現在、その位置づけが不明確な行政における内部通報制度についての研究にも着手したところである。 伝染病の流行下での研究環境の変化等により、本研究を一年延長し、上記「地方公共団体における内部通報制度」等これまでに新たに覚知した論点について、さらに研究を進めるとともに、研究成果のさらなる発表に努めていくこととしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
報告対象年度は、本来の研究期間の最終年度であり、当初、想定した研究については、概ね終了している。 しかし、社会の環境のため、成果発表等について、まだ、行えるところがあると思われることから、成果発表及び派生的論点についての研究を引き続き行おうと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究活動については、一応の結論付けを終えているが、これまでに、調査、考察した項目につき、さらに成果発表を行うことを検討するとともに、さらに、「行政の民主主義」を検討するに際し考えられる派生的論点についての考究を進めていくことを考えている。 このため、補足的調査、新たな成果発表、特に、国際的な場での成果発表を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症流行による社会環境下において、調査及び、成果発表の規模を縮小せざるを得なかったことから、2021年度内において、計画通りの予算使用ができなかった。 このため、2022年度において、残額を使用して、研究成果の発信に注力するとともに、派生的に興味を引く論点につての調査、研究を行いたい。
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