研究課題/領域番号 |
19K01493
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
小関 素明 立命館大学, 文学部, 教授 (40211825)
|
研究分担者 |
吉田 武弘 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (30772149)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 日本近代主権 / 国民主権 / 戦争責任論 / 戦後知識人論 / 日本国憲法 / 日米開戦と終戦工作 / 近代天皇制 / 立憲政体 |
研究実績の概要 |
申請者は、旧著『日本近代主権と「戦争革命」』(2020年、日本評論社)において日本近代主権の構造的特質と戦争(日米開戦と終戦工作)との関係を明らかにした。そしてその執筆の過程で戦後民主主義を考察するにあたって、その前提として「大東亜戦争」に関与していく国民精神史の研究が重要であると認識し、その序論的成果を「天皇制と「大東亜戦争」関与の精神構造-負い目と擬態の精神史-」(『立命館大学人文科学研究所紀要』129、2021年)として公表した。次いでその成果を踏まえ、本研究計画のテーマに即して「公権力の純理の批判的考察と民主制-ステークホルダー型国民主権への展望-」(協同主義研究会、2022年3月27日、リモート方式)という口頭報告を行い、申請者の本来の関心である公権力(主権)研究から戦後史研究につなげる理論的整序を行った。そしてそこで得た見通しをもとに、「災害と人文社会科学が向き合うべき課題―災害は民主政治にどのような影響を及ぼすのかー人文・社会科学の意義を見つめ直す」(立命館大学土曜講座「感染症、戦争、災害等の「グローバルなリスク」に立ち向かうため【知】のために」(2022年10月29日 リモート方式)を行った。 申請者の中核的な研究テーマはあくまで日本近代主権論と戦後民主主義論であるが、本研究課題である後者のテーマを深めるにあたっては、戦後知識人論と戦争責任の問題が外せないことに思いいたった。 本研究課題の最終年度後半は、国民の戦争に向き合う姿勢と、それを見据えた戦後知識人論の研究に着手すべく、高村光太郎、鮎川信夫、田村隆一、吉本隆明など詩人を中心とした文学者や評論家たちの著作物を広く読み進め、彼らの戦争観と戦争責任論の関係分析を開始した。 今後はこのテーマについてさらに検証し、第3冊目の単著の刊行を視野に入れている
|