本研究は、学術的観点からは、近年の「アフリカの角」という地域における国際秩序の変容過程を、詳細な過程追跡を行いながら、専門である国際政治学と比較政治学の分析手法を架橋しながら、その力学の相互作用を考察する形で検討を加える意義を有する研究であった。社会的意義としては、「アフリカの角」という地域が、紅海を挟んで向き合う中東国際関係の影響を受ける形でその変容が起きている点を確認するとともに、政策的にも重要視されるインド太平洋地域とも連結する地域における安全保障課題を改めて確認するとともに、今後留意すべき課題を明らかにしてきた点に見いだすことができる。
|