期間全体を通しては、Asymmetric Burden-Sharing and the Restraining and Deterrence Effects of Alliancesという題名の論文(単著)がJournal of Peace Researchに受諾された(現在オンラインで閲覧可能状態である)。本論文では、同盟のもつ抑止と抑制の効果について、ゲーム理論を用いて示した上で、戦後日本とアメリカの軍事力を事例研究に用いて、モデルのロジックを例証した。また、最終年度は、この科研費の期間を通して執筆していたもう一本の論文(共著)を、修正・加筆し、雑誌に投稿した。なお。この二本目の論文も、ゲーム理論を用いた理論の研究を取り扱っている。ゲーム理論の箇所については、これまでのレフリーとエディターから頂いたコメントを基に、様々なモデルの拡張を行い、それでも主な結果が変わらないこと、あるいはオリジナルと同じように結果が解釈可能であることを示した。また、インデックスなどを付け足し、細かな部分はオンライン・アペンディックスに持っていくなど、全体を通して読者に結果が伝わりやすくなるように工夫をした。検証の箇所については、レフリーのコメントを受け、アイゼンハワー政権時とレーガン政権時の米国防衛政策という二つの事例を修正して論文に取り込み、現実の社会においても、モデルで示されたロジックが働いていることを示した。
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