研究課題/領域番号 |
19K01505
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
古澤 嘉朗 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (20612922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 平和構築 / シエラレオネ / ケニア / ルワンダ |
研究実績の概要 |
本研究は、平和構築という営為を通して、(特にアフリカにおける)国家の今日的意義について理解を深めようとする研究である。これまで申請者が行ってきた平和構築の法秩序改革(支援)に関する研究を更に発展させ、アフリカの事例を参照しつつ、(アフリカの)国家は現在どのような状況に置かれ・どのような改革を実施しようとしているのか、また平和構築の力学がどのような影響を(アフリカの)国家に与えているのだろうかといった点について理解を深めようとする研究である。今年度は最新の研究動向の把握と分析を行うと同時に、秋にケニアとルワンダ、そしてイギリスを訪問し聞き取り調査・情報収集を行った。ケニアとルワンダでは関係者(政府関係者や研究者、NGOなど)から平和構築の法秩序面に関する聞き取り調査・情報収集を行い、現地における新たな動向把握に努めた。興味深い資料・情報を得ることができたが、滞在時間の関係から十分に全ての情報を収集することは叶わなかったので再度訪問する必要がある。イギリスでは本研究を更に発展させるために意見交換を行い、有益なコメントを得ることができた。当初は2020年3月上旬にイギリス、3月下旬にケニアを再度訪問する予定であったが、新型コロナ・ウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、渡航自体を中止せざるをえなくなってしまった。ケニアとルワンダに加えて、シエラレオネでも調査を2020年度夏以降に実施できるように調整を行っていたが、ケニア・ルワンダ・シエラレオネに再度渡航できるようになるのがいつになるのか不透明な状態が続いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年3月に予定していたイギリス・ケニア出張を、新型コロナ・ウイルス感染症の感染拡大を踏まえ中止せざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は夏頃にシエラレオネとケニアを訪問し、情報・資料収集を行う予定である。具体的にはチーフダム警察やローカル・コートといったシエラレオネの慣習法制度に関する調査と、ケニアでは大統領府が管轄している地域宣言(community declarations)についての調査を引き続き行う予定である。冬にはイギリスとルワンダを訪問し、過去の植民地時代の史料調査、またルワンダにおける法秩序改革についての調査を検討している。2020年度も引き続き新型コロナ・ウイルス感染症のアフリカにおける感染拡大の状況を踏まえながら、海外出張の実施については柔軟に検討していきたい。実地調査は感染症拡大の影響を見極めながら実施する必要はあるが、その間も文献調査、最新の報告書等を参照する形で実証分析は進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ・ウイルス感染症の感染拡大の影響により、当初予定していた海外出張2件を中止したため、出張費分に相当する金額を繰り越すことになった。 引き続き2020年度に海外調査費として活用したい。もし海外調査の実施が難しい場合、関連研究動向の把握、また実地調査で入手予定の情報を代替的に入手する取り組みを模索しその支出などに活用する。
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