研究課題/領域番号 |
19K01507
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 教授 (50580776)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 冷戦史 / ドイツ外交 / 外交史 / 国際関係論 / 国際政治 |
研究実績の概要 |
2年目に入る本年度は、交付申請書の計画に沿って、シュミット政権期の独米関係について、西ドイツとアメリカのカーター政権(1977年~80年)をめぐる多国間交渉に関して、とりわけアメリカを含むNATOやサミットなど多国間関係の場における西側先進国としての国際的地位の向上などを踏まえて考察するべく、関連資料や文献の収集・調査に取り組んだ。西側陣営内での西ドイツの自己主張といったドイツ外交史研究における意義や、いかに西ドイツ外交がアメリカを含む多国間協議の場を活かして主体的に冷戦終焉にかかわったのかといった冷戦史研究での位置づけを考察しようと試みた。具体的には、当該研究テーマについての先行研究に加え、外務省の委託による公刊史料集が出ているため、それらを用いながら時系列的整理を行った。本年度に予定していたボンやコブレンツ、ベルリンなどドイツでの調査については、新型コロナウィルスの影響を考慮して残念ながら見合わせざるをえなかったが、文献や資料の調査と並行して、独米関係に関連して「ヴィリ・ブラント」と「ドイツ社会民主党」(石田勇治編集代表『ドイツ文化事典』丸善出版、2020年所収)を、『国際政治』199号に「書評:清水聡著『東ドイツと「冷戦の起源」1949~1955年』(法律文化社、2015年)」を発表する一方、対米関係を含む西側諸国との関係を踏まえながら東方政策における対ポーランド政策を分析した論考を含む拙共編著『歴史のなかのドイツ外交』(吉田書店、2019年)を軸としたドイツ現代史学会第42回大会(オンライン)にて編者からのリプライとコメントを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目にあたる本年度は、シュミット政権期の独米関係について、西ドイツとアメリカのカーター政権(1977年~80年)をめぐる多国間交渉の過程の分析を試みるべく、史料や文献の収集・調査に取り組んだ。予定していたドイツでの調査については、新型コロナウィルスの影響を考慮して見合わせざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに取り掛かっているシュミット政権期の独米関係に関する二国間関係及び多国間関係の関連資料や文献収集に引き続き取り組むともに、それらと並行した西側諸国など周辺諸国との意見調整について、ECなどアメリカを含まない多国間関係の場において、とりわけ統合を進める欧州諸国内での地位の向上などを踏まえて考察するべく資料調査に取りかかる。ただドイツへの現地調査については、新型コロナウィルスの影響を考慮しながら慎重に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
少なくとも2度を予定していたドイツへの現地調査が新型コロナウィルスの影響を受けて遂行できなかったため残額が生じた。新型コロナウィルスの今後の影響についても予断を許さないが、可能であれば翌年度の史料調査に加えることを計画している。
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