研究課題/領域番号 |
19K01509
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
荒木 圭子 東海大学, 教養学部, 教授 (00512633)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際連盟 / 自決権 / 黒人 |
研究実績の概要 |
2021年度においては、これまでの研究成果をもとに単著『マーカス・ガーヴィーと「想像の帝国」ー国際的人種秩序への挑戦』(千倉書房)を刊行した。また、日本アメリカ学会の英文ジャーナル『The Japanese Journal of American Studies』に、単著論文「Transnational Nationalism: Revisiting the Garvey Movement」を投稿した。これらの著作においては、マーカス・ガーヴィーを中心とする黒人たちの連帯的運動を、国際連盟発足当時の国際政治のなかで分析した。前者に関しては、朝日新聞に書評が掲載された。 計画では、(1)基本文献の講読、(2)これまでに収集した資料の整理・検討、(3)スイスの League of Nations Archives およびイギリスの National Archives での資料収集、を行う予定であった。(1)と(2)に関しては、まだ十分とはいえない状況にあり、今後も継続して遂行すべきものではあるが、上記の著作の発表を一定の成果として挙げることができる。(3)については、新型コロナウイルスの状況次第で現地のリサーチャーへの調査依頼も検討することを計画していたが、渡航制限の緩和など、状況が流動的であったことから、結局依頼は行わなかった。一方、直接渡航して資料収集を行うことについては、渡航規制のため、他の業務等との関連で困難だと判断し、2021年度においても海外調査は行わなかった。代わりに、オンラインで入手できる資料(雑誌『Crisis』の記事やW. E. B. Du Bois Papersなど)を収集・検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度においては、これまでの調査実績をもとに単著を刊行できたものの、新型コロナの流行により、予定していた海外での資料収集ができなかった。また、コロナ禍における業務の激増で、研究時間を十分に確保することが困難な状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
基本文献の講読のほか、これまでに収集した資料の整理・検討を行う。また、スイスおよびイギリスでの資料収集に関しては、新型コロ ナウイルスの状況次第となるが、現地のリサーチャーへの資料収集の依頼についても早めに検討する。当初の計画では、アメリカの公文書館での資料収集も行う予定であったが、これに関してもヨーロッパでの資料収集と合わせて、現地リサーチャーの雇用を含めて検討していく。さらに、ペルシア代表の動向を調査するため、イランでの資料収集を現地リサーチャーに依頼して進めていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、海外の資料館での資料収集ができなかったため。
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