研究課題/領域番号 |
19K01522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
浜 由樹子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (10398729)
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研究分担者 |
羽根 次郎 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (30726261)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ロシア / 中国 / 主権観 / 反リベラリズム / ネオ・ユーラシア主義 / 国際秩序観 / ウクライナ侵攻 |
研究成果の概要 |
いわゆるBRICS諸国を通じた共通点の一つには、国家主権への徹底的な関心が挙げられる。中国の独自性は、党(中国共産党)の指導性の承認とそれを裏付ける人民民主独裁という政治理念の存在ということになる。これは国際秩序観にも反映されている。 また、2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、図らずも本研究課題の先見性を明らかにした。ロシアはかねてより主権にこだわり、「多極世界」を上位概念として西側リベラリズムを唯一普遍の選択肢とするような世界観に抵抗してきたが、ウクライナ侵攻のイデオロギーはそれを決定的に明示した。本研究では、ロシアの国際秩序観を反映するものとして改めてこれを分析した。
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自由記述の分野 |
ロシア地域研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本におけるロシアや中国理解は、ともすればその時々に流行するキーワード的概念に依る場合が少なくない。しかし本研究によって明らかにされたのは、現代中国やロシア、ブラジル理解において依然として重要なのは「主権」の問題系だということであった。それは特殊論に陥るものではなく、むしろBRICS諸国のように西側の先進資本主義国とは異なる国家・地域の秩序観を理解することに接続するものである。現在中心主義に流されることなく、西側主要先進国が主導する国際秩序とプラグマティックな関係を結びつつも、他方でそれに異議を唱えてきたアンビバレンスを捉え、体系的に説明することが必要であり続けている。
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