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2023 年度 実績報告書

ハイブリッドな平和構築論の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K01524
研究機関同志社大学

研究代表者

西川 由紀子  同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70584936)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード権力関係 / ハイブリッド / 平和構築 / 優越 / 抵抗
研究実績の概要

研究最終年度は、コロナ禍で実施できていなかった現地での最終調査を実施するとともに、これまでの成果を国際会議で報告した。研究1年目から2年目にかけて行ってきた理論的枠組みの再考と、それに基づきたてた仮説について、現地調査の状況をふまえて、分析を行った。仮説で立てた三つの理論的側面(権力、優越、抵抗)について、対象としたカンボジアと東ティモール、後に加えたミャンマーの三か国の状況から明らかにすることができた。
事例として分析を行った参加国の間でも、土着の制度と外来の制度の融合には大きな差がみられ、当該国の権力の在り方(中央の権力構造、中央と地方の権力関係、政府の対外政策の特徴、経済構造と対外関係、外交政策など)が複雑に絡み合っている状況を確認した。特に東ティモールでは、援助が大規模に入った時期があったこと、対外政策に重点が置かれていることから、他の2国と比較して、ハイブリッドな制度への需要が一定程度あることが確認できた。他方、大規模な援助が入ったものの、比較的時間が過ぎ、権力が集中する体制に移行してきたカンボジアでは、伝統的援助機関や援助国との関係を維持しつつも、中国の影響もあり、東ティモールと同様の制度的変化はみられなかった。
このような2国の状況から、土着の制度と新たにもたらされた制度がいかなる変化を遂げるかについては、政治的側面からだけではなく、経済関係、援助供与国がいかに多様であるかなど、経済側面と軍事側面からの分析も重要であることが明らかになった。こうした点は本研究ではカバーできなかった点であることから、今後の研究の課題としたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Southeast Asia from the Peace and Conflict Lens2023

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Nishikawa
    • 学会等名
      Association for Asian Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] Regional Security in Southeast Asia in the Era of Great Power Rivalry2023

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Nishikawa
    • 学会等名
      Southeast Asia Research Network
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] Pandemic, States and Societies in the Asia Pacific, 2020-2021: Responding to COVID2023

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Nishikawa
    • 総ページ数
      30
    • 出版者
      Routledge

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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