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2020 年度 実施状況報告書

民主党政権期に培われたフーバー政権元国務次官キャッスルの対日人脈の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K01531
研究機関明治大学

研究代表者

廣部 泉  明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (80272475)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード日米関係
研究実績の概要

初年度のアメリカにおける資料調査で入手したウィリアム・キャッスル元大使関係の資料の分析を継続した。ただ、キャッスル関係の資料は膨大で、本年度も引き続きアメリカに赴いての資料収集を予定していたが、それはコロナ禍により文書館や大学図書館が閉鎖されたため実施できなかった。救いだったのは、キャッスル文書を所蔵しているフーバー大統領図書館が、閉館したものの、地元のコロナ状況が一時落ち着いた時期に、職員の出勤を一日数時間に限って許可し、アーキビストの方が、以前リクエストしていたキャッスル関係の文書の一部をスキャンして送ってくださったことである。その結果、キャッスルが下野して以降も、駐米日本大使館は、キャッスルとの関係を維持し、日本人外交官が民主党政権関係者と十分な関係構築が出来なかったこともあり、ワシントンでの人間関係構築においてキャッスルに大いに依存していたことが明らかとなった。
日本側の資料調査も同様にコロナ禍によって困難に直面した。国会図書館や外交史料館も閉館となり、他大学の図書館にすら立ち入ることができなくなった。コロナが落ち着いた後、国会図書館は抽選制に、外交史料館に至っては、事前予約制で一日5人の利用に絞られた。そのため当初の予定よりは研究の進捗が遅れてしまった。ただ、野村吉三郎関係文書や樺山愛輔関係文書、須磨弥吉郎関係文書などの調査によって、上記のキャッスル文書の分析によって得られた仮説が日本側からも裏付けられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍によってアメリカの文書館が一斉に休館し、当初予定していたアメリカへの資料調査が実施できなかった。また、国内では、国会図書館や外交史料館が閉館した。その後、国内の図書館や史料館は部分的に開館されたが、利用者数を大幅に制限したり、事前予約制となりしたため、資料調査が計画通り進まなかった。そのような国内外の事情により、研究の進捗にやや遅れが出ている。

今後の研究の推進方策

今年度は、これまで収集した資料の分析を進めると共に、昨年度予定しつつも実施できなかったアメリカにおける資料調査を実施する予定である。根本史料のキャッスル日記の調査を継続すると共に、メリーランド州の米国国立公文書館所蔵の国務省関係資料や米国議会図書館所蔵のフーバー政権以前の政権関係者の資料、アイオワ州のフーバー大統領図書館、また、スタンフォード大学フーバー研究所所蔵の資料も収集する予定である。また並行して、それら米国側の資料に登場する日本人関係者の資料を日本国内で収集する。アメリカでの資料調査が可能になるのは年度後半と思われる。それまでは、インターネットで収集可能な史料を集めるなど、可能な限り研究課題の推進に努める。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により国内外における資料調査などが計画通り実施できなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Japan at the crossroads2020

    • 著者名/発表者名
      Izumi Hirobe
    • 学会等名
      Belarusian State University, Faculty of International Relations
    • 招待講演
  • [図書] 黄禍論 百年の系譜2020

    • 著者名/発表者名
      廣部泉
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      978-4-06-520921-9

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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