研究課題
基盤研究(C)
本研究はヨーロッパ国際情勢の変動を中心にして冷戦終結過程に関する国際交渉の分析を行った。具体的には1989年の東ヨーロッパ諸国の体制変動から1990年10月のドイツ統一に至る時期の多国間の外交交渉を分析した。当初は東西融和的な冷戦終結観と勝敗区分的な冷戦終結観がせめぎあっていたものの、ドイツ統一の北大西洋条約機構(NATO)帰属により後者が優位になった経緯を解明した。
国際関係論
本研究は、東欧体制転換からドイツ統一に至る期間の一連の国際交渉を通じて、東西融和的な冷戦終結論と勝敗区分的な冷戦終結論とのせめぎあいを分析した。このせめぎあいは、単に東西間、欧米間だけではなくアメリカ政府高官の間にも存在していたことを解明した。さらにアメリカの高官たちは、ドイツ問題だけではなくペルシャ湾岸情勢なども勘案しながらヨーロッパにおける旧東側諸国との関係性を形作っていたことも明らかにした。