研究課題/領域番号 |
19K01535
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
黒木 真子 (松井真子) 愛知学院大学, 文学部, 准教授 (80711324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オスマン帝国 / 条約 / カピチュレーション / 国際法史 |
研究実績の概要 |
本研究二年度目にあたる2020年度はコロナウィルスCovid-19蔓延のため、本研究の柱の一つである海外での資料収集計画を実施できなかった。本研究全体を通じてトルコ、イギリス、オランダでの史料収集を予定しており、初年度のトルコでの資料収集は実施し、資料収集のみでなく当地での研究者との交流もあり成果をあげることができた。しかし、昨年度夏に予定していた資料収集を春に延期したものの、実施は難しく予定していたイギリスでの調査(ロンドンの国立公文書館The National Archives, 大英図書館British Library,およびオクスフォード大学ボドリアン図書館Bodleian Library, Oxford Universityでの調査を予定していた)は断念した。今年度もコロナ禍で海外調査の実施が可能かどうかはまだ不明である。一年遅れで英国での調査を行うか、本来三年度目に予定していたオランダでの調査を行うかも含め、現在検討中である。なおインターネット経由でオランダ、ハーグの国立文書館Nationaal Archiefにアクセスし、ダウンロード可能な史料の収集をおこなった。インターネット上ではアクセスできない資料もあるため、今後の海外調査で収集予定である。 海外調査が実施できなかったため、昨年度は収集済みの既存史料の読解を中心に研究を進め、また関連文献の収集にも努め、これまでに検討してきた先行研究も含め読み込みや再検討を行った。オランダのカピチュレーションに関しては1680年の条文を検討しその概要をまとめて愛知学院大学大学院文学研究科紀要『人間文化』に投稿した(本年度刊行予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度はCovid-19の蔓延により、予定していたイギリスの文書館や図書館での資料収集ができなかった。そこで、これまで収集してきた資料の読解を中心に研究を進め、また関連研究文献の読み込みをおこなった。オランダの1680年カピチュレーションについては、その概要をまとめ、大学院紀要に投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
残念ながらCovid-19の拡大は世界的に収束状況にはなく、ウィルスの変異、ワクチン接種の遅延次第で今年度の海外での資料収集も難しい見通しである。実施可能な状況となれば、イギリス、オランダないしはトルコでの調査を夏季あるいは来年春に行いたい。 一方収集済み史料についての読解を進め、先行研究や関連専門書の検討をおこない、研究計画を実施していきたい。1675年の対英カピチュレーションに加え、1680年の対蘭カピチュレーション、1673年および1740年の対仏カピチュレーションの転写と和訳を軸に、それらを比較検討し計画を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの世界的蔓延により、予定していた海外調査が実施できなかったため。 三年度目は可能であればイギリス、オランダないしトルコで調査を行う。また引き続き関連研究文献の収集にもつとめる。研究作業を進めていくうえで、プリンターやスキャナーなどの機材や記憶媒体、他文具など適宜そろえる。
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