経済学において中心的役割を占める最適化問題を一般的に解くための非線形計画法に関する論文を出版した(「制約付き最大化の解法と厳密性」『国民経済雑誌』第225巻第3号pp31ー51)。経済学における非線形計画法の解説は、細かい仮定を度外視して解き方に集中する入門書タイプと、定理の数学的内容に集中して、定理の使い方には細かく触れない数学書タイプに2極化しているため、そのギャップを埋めるべく、技術的な仮定に注意を払いながら厳密に最大化問題を解く具体的な方法を詳細に記述したものである。クーンタッカー(KKT)定理ではなく、フリッツ・ジョン定理を中心に据える方法を提唱している。
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