研究課題/領域番号 |
19K01548
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岡野 芳隆 関西大学, 経済学部, 准教授 (20513120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 実験経済学 / 集団の意思決定 / 協力行動 / 虚偽行動 / 調整行動 |
研究実績の概要 |
集団の虚偽行動に関する研究は論文を作成し終えた。現在、国際査読誌から改訂要求が来ており、再投稿に向けて再分析と論文改訂を進めている。集団の協力行動に関する研究は現在、分析を進めている最中であり、まもなく論文を書き始める予定である。集団の調整行動に関する研究は、新型コロナウィルス感染拡大のため、令和三年度に実施予定だった実験を全く実施することができなかった。本研究は、複数の個人が集団を形成し、互いに会話をしながら一つの意思決定をする「集団の意思決定」の経済学的特徴を検証するのが目的である。しかし、近距離でのコミュニケーションは感染予防の観点から望ましくなく、研究目的は踏まえつつも以下の通り実験デザインの修正を行った。男女の争いゲーム状況では、集団同士の調整行動において調整の失敗を引き起こす要因と考えられるものの一つはgroup membership(集団への帰属意識)である。そこで本研究では(メンバー同士が顔を合わせる必要のない)チームビルディング課題を考案し、集団への帰属意識への高まりが集団の代表者の調整行動にどの程度影響を与えるかを検証することを目的とする。この実験デザインにより、従来の研究目的から大きく変更することなく、実験を実施することが可能となる。現在、来年度初めの実験実施を目標に準備を進めているところである。本研究は令和三年度が最終年度であったが、以上の理由により、来年度に実験を実施することになったため、研究期間を1年延長した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、複数の個人が集団を形成し、互いに会話をしながら一つの意思決定をする「集団の意思決定」の経済学的特徴を検証するのが目的であった。しかし、近距離でのコミュニケーションは感染予防の観点から望ましくなく、研究目的は踏まえつつも実験デザインの大幅な修正を行った。実験デザインの修正は既に済んでおり、現在、来年度の実験実施に向けて鋭意、準備中である。その他の感染予防策として、実験者による実験書類の配布をせずに済む工夫や、実験説明書の読み上げをソフトの音声に切り替える工夫などを検討している。来年度の実験実施に向けてようやく目処がついたところである。
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今後の研究の推進方策 |
実験デザインの修正は済んでおり、来年度初めの実験実施に向けて準備を進めていく。夏頃までに400人の被験者を集めることを目標に、できるだけ多くのデータを収集していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、当初予定していた経済学実験が全く実施できず、人件費・謝金として支出予定だったものが大幅に残ってしまったためである。現在は新しい実験を計画しており、研究期間を1年延長し、次年度はその実験の実施に充てていく予定である。
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