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2022 年度 実施状況報告書

医師臨床研修マッチングにおける地域間格差に関する実証的及び理論的分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K01552
研究機関早稲田大学

研究代表者

戸田 学  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30217509)

研究分担者 笠島 洋一  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (30583166)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードマッチング / 医師臨床研修 / 過疎地医療 / 学校選択問題
研究実績の概要

昨年同様対面で国際学会等に参加して研究発表を行う機会は少なくその点における予算消化は十分ではない.また実証分析についてもエフォートは不足している.その一方で理論面の研究は概ね順調に進捗している.昨年の研究実績概要で述べたように論文 "Singles monotonicity and stability in one-to-ne matching problems" は Games and Economic Behavior 誌に投稿し査読プロセスにあるが,Singles monotonicity と Population monotonicity について改めて検討した結果,新たな Example を追加して両者の関係により深い洞察を得ることができた.すなわち Singles monotonicity から Population monotonicity と重なる部分を取り除いても論文の結果は同様に成り立つことが示された.論文の採否は未確定だが今後も再改訂を行い掲載に向けて注力していく予定である.また論文 "Improvement of Rural Hospitals and its Welfare Consequences" は論文原稿を改訂し昨年11月に京都大学で開催された数理経済学会研究集会「数理経済学とその周辺」において報告を行なった.さらに前年新しく得られた結果は論文 "Weak Consistency and Axioms for Deferred Acceptance" というタイトルにまとめ同じく数理経済学会研究集会において報告した.これらを通じて国内の研究者に成果を共有し意見交換を行いつつ研究内容をさらに深めることができたと考えている.なお後者の論文においては公理の独立性がいまのところ十分に示されていないので継続してそれについて研究を行うことが課題である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度も引き続き国際学会などへの参加は制限されており実証研究についても必ずしも予定通りではないが国内学会への参加を通じて国内の研究者との意見交換などで研究内容をより深めることができている.また国際学術雑誌へ論文を投稿し査読プロセスを経ることで内容をさらに改訂改善することに成功している.採否は未定ながら Journal Editor からは再改訂を前提にプロセスが進行している旨連絡を得ている.

今後の研究の推進方策

研究実績の概要で言及した論文 "Improvement of Rural Hospitals and its Welfare Consequences" について 2023年6月スペインで行われる The 13th. Conference on Economic Design における論文発表を予定している.今後はこの論文に対するフィードバックをもとにしてさらに内容を高めていく予定である.とりわけ定員を満たすことのできない病院の定員を一部分離してその部分に補助金を与えることで定員を充足することが可能になるような条件を考えたい.また,これまでは補助金や医師の給与条件などを具体的にモデル化せずに議論していたが,より明示的なモデルを用いて研究を深化発展させることを目標としたい.その際,matching with contract のモデルが有用と思われるので,それについての理解を深めたいとも考えている.matching with contract モデルにおいても rural hospital theorem が成り立つことが知られている.また contract が増加した場合に安定配分がどのように変化するかを考察した研究も存在している.しかし定員を満たしていない病院に限って contract が増加する場合,それが社会厚生にどのような影響を及ぼすかについては知られていることは少ない.この点についてさらなる検討の余地があると考える.また引き続き実際のデータを用いた分析についても注力する予定である.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス流行のため参加できる対面型国際学術学会に制限があったために予定していた旅費の消化が十分に行えなかったため.次年度はスペインで開催される国際学会で論文報告を行う予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Improvement of Rural Hospitals and its Welfare Consequences2022

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Kasajima
    • 学会等名
      数理経済学会研究集会「数理経済学とその周辺」
  • [学会発表] Weak Consistency and Axioms for Deferred Acceptance2022

    • 著者名/発表者名
      Manabu Toda
    • 学会等名
      数理経済学会研究集会「数理経済学とその周辺」

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公開日: 2023-12-25  

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