研究課題
基盤研究(C)
本研究は、経済学が現在のように高度に数理化される直接の出発点となった20世紀半ばに焦点を当て、どのような歴史的プロセスによってこの数理化が展開していったかを後づけることを目的としている。複合的な要因があったことが分かり、大恐慌や第二次世界大戦によって、民間財団が経済学に関心を強めた一方で、ヨーロッパに分散していた学者がアメリカに移住し、研究交流が活発になったことが大きな要因であったことが指摘できる。
経済学史
従来の経済学史研究では、20世紀半ば以降の展開が十分に議論されてこなかったため、なぜ、そしてどのように経済学が現在の姿に至ったのかについて適切に理解されてこなかった。本研究は、この隔たりを埋め、20世紀前半までの経済学とそれ以降をより連続的に捉える上で意義があると言える。また、現代の経済学を過去からの連続的な発展のもとで捉えることによって、経済学という学問の意義や限界について考える上で新たな視点を投げかけることになる。