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2019 年度 実施状況報告書

中央値に基づく経済不平等度のベイズ推定

研究課題

研究課題/領域番号 19K01581
研究機関北海道大学

研究代表者

長谷川 光  北海道大学, 経済学研究院, 教授 (30189534)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード所得分布 / 中央値 / 経済不平等度 / ベイズ統計学
研究実績の概要

既に必要な文献及びデータの収集を行っていたが,本年度は本研究を進めるにあたり必要と思われる新たな文献及びデータの収集を行った.特に,本研究プロジェクトの中心となる中央値に基づく不平等指標に関連する文献を収集し,それらを詳細に検討することで,先行研究で既に行われていることとまだ行われていないことを分析・整理した.また,不平等指標の推定をベイズ法で行っている文献を調査したところ,ベイズ法で中央値に基づく不平等指標の推定を扱った文献は少なかく,研究の萌芽期であることが分かった.特に,ベイジアン・ノンパラメトリック・モデルを用いた推定の文献は調査した限りでは皆無で,本研究が提案するシミュレーションに基づくベイズ手法が必要となることを確認した.
そこで,本年度はDirichlet過程事前分布を用いたベイジアン・ノンパラメトリック・モデルを所得分布に適用し,そのモデルをマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて推定する方法を考えた.推定した所得分布から中央値に基づく不平等指標を含む不平等指標の推定を行うことができる.具体的な実証分析例として,家計経済研究所の「消費生活に関するパネル調査」の未婚有業女性の所得データを用いた.この研究成果は次年度以降の研究の基礎となるものであり,本研究プロジェクトにとって重要な位置付けとなっている.なお,得られた結果は,既にディスカッション・ペーパーにまとめられており,海外の専門誌に投稿する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」にも書いた通り,交付申請書に記載した「令和元年度の研究実施計画」に沿って研究を推進しており,研究は順調に進展した.

今後の研究の推進方策

交付申請書に記載した「令和2年度の研究実施計画」に沿って今後の研究を進めていく.
(a) 文献・データの収集と整理: 国内外で新たなデータの収集を行うとともに,収集したデータを本研究の分析に適合するように整理する.また,文献の収集も継続する.
(b) 中央値に基づく不平等指標のベイズ法による推定方法の開発: 本研究プロジェクトで既に提案されているGini曲線及びZenga曲線を中央値で評価した新しい指標を集計データを用いて推定する方法を開発する.
(c) 研究成果の発信: 得られた研究成果は,幾つかのディスカッション・ペーパーにまとめ,学会・セミナーで発表を行うとともに,海外の専門誌へ投稿する.

次年度使用額が生じた理由

使用残額が12,480円と少額なため必要な洋書の購入には不足している.そのため,次年度の交付金と合わせて使用することとした.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Time use of married couples: Bayesian approach2019

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa Hikaru、Ueda Kazuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Applied Statistics

      巻: 46 ページ: 2649~2665

    • DOI

      10.1080/02664763.2019.1607833

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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