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2020 年度 実施状況報告書

中央値に基づく経済不平等度のベイズ推定

研究課題

研究課題/領域番号 19K01581
研究機関北海道大学

研究代表者

長谷川 光  北海道大学, 経済学研究院, 教授 (30189534)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード所得分布 / 中央値 / 経済不平等度 / ベイズ統計学
研究実績の概要

昨年度に引き続き,本年度も本研究を進めるにあたり必要と思われる新たな文献及びデータの収集を行った.所得分布の中央値に基づく不平等指標・貧困指標に関連する文献を収集し,それらを整理・検討・分析を行った.特に,中央値を含めて分布の分位点を扱ったテーマとして,2時点間の分布の変化を考慮したgrowth incidence curve (GIC)がある.

本年度は,分布の中央値の問題を扱った論文であるBirdsall and Meyer (2015)を足がかりとして,Ravallion and Chen (2003)が導入したGIC,そしてGICの貧困指標版でもあるSon (2004) によって導入されたpoverty growth curve (PGC)の詳細な検討を行った.GIC及びPGCの推定を扱っている文献を調べたところ,標本理論を用いて推定を行った文献が殆どで,Fourrier-Nicolai and Lubrano (2020)を除けば,報告者の知る限り,ベイズ法を用いた文献は皆無であった.Fourrier-Nicolai and Lubrano (2020, DP) は,サンプル・セレクション・モデルを利用していることもあり,考慮している所得分布は(対数)正規分布のみである.本研究プロジェクトのこれまでの成果を考慮すると,よりフレキシブルな所得分布の導入が可能と思われる.そこで,本年度はGIC及びPGCに適用する所得分布の候補として幾つかの確率分布を考え,マルコフ連鎖モンテカルロ法 (MCMC)によるベイズ推定法を考察した.具体的な実証分析例として,慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターの「消費生活に関するパネル調査」の未婚有業女性の所得データを用いた.なお,得られた結果は,ディスカッション・ペーパーにまとめ,海外の専門誌に投稿する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」にも書いた通り,交付申請書に記載した「令和2年度の研究実施計画」を発展させた形での研究を推進しており,研究はおおむね順調に進展した.

今後の研究の推進方策

交付申請書に記載した「令和3年度の研究実施計画」に沿って今後の研究を進めていく.

(a) 文献・データの収集と整理:研究期間の最終年度にあたる令和3年度には,令和元年度及び令和2年度に構築したベイズモデルの実証分析への応用に際しての問題点を検討し,その修正を行う.

(b) 研究成果の発信: 得られた研究成果は,幾つかのディスカッション・ペーパーにまとめ,海外の専門誌へ投稿する.

次年度使用額が生じた理由

使用残額が21,630円と少額なため,次年度の交付金と合わせて使用することとした.

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公開日: 2021-12-27  

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