研究実績の概要 |
株価や失業率などの社会的時系列データは様々な起因子によって変動しているため、過去の自己系列から未来を予測することは極めて困難な課題である。本研究では次に示す3つの目標を掲げ研究に取り組んでいる。 ① 複数時系列入力を並列に駆動させるLSTM機構の構築、② ①から得られる複数予測出力を1系列に統合する機構の構築、③ 時系列情報からの起因子分析 (逆問題) ①と②に関して、時間遅れ付きのLSTM機構を新たに考案し、これを提案するフレームワークへ導入することで予測精度の大幅な向上を達成した[1]。注目すべき過去の時間情報に着目することで複数の時系列情報を均等に評価するよりも高い予測精度が得られることを実験的に確認した。③に関しては、SNS上で拡散されるショートメッセージからテンソル因子分解を利用することで効率的に単語関係を抽出する手法を提案した[2]。提案手法を時系列情報に拡張することで時系列情報からの起因子推定が可能になることが示唆される。今後は時系列情報に拡張させることで、効率的な起因子分析の達成を目指す。 【研究成果】 [1]安達 凜、六井 淳、“社会的時系列予測のための時間遅れ付きLSTM”、電子情報通信学会技術報告書、NC2020-30(2020-12)、pp.13-18、2020. [2]Jun Rokui, “Word Relationship Extraction from Short Text Message”, Proc of 9th International Congress on Advanced Applied Informatics, IIAI-AAI2020, pp.418-421,2020.
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