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2019 年度 実施状況報告書

航空会社間の競争と地方政府間の競争の関係及び空港管理主体の違いがもたらす効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K01608
研究機関札幌学院大学

研究代表者

山崎 慎吾  札幌学院大学, 経済学部, 講師 (20803521)

研究分担者 土居 直史  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (30633945)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード航空産業 / 地方財政 / 民営化
研究実績の概要

空港の運営主体の違いが何をもたらすか?例えば、空港を地方政府が運営している場合、地方政府は自地域への旅客数を増やすために空港使用料を過少な水準まで下げるという競争をしているのではないだろうか?そして、このような空港運営主体同士の競争と航空会社間の競争の関係はどうなっているのか?本研究はこれらのような疑問の元で研究を行っている。2019年度の研究ではこれらのような現象が生じているかを分析するための理論モデルの構築とその分析、そしてこれらを実証的に分析するためのデータの収集及び実証分析を行った。
いくつかの制約があるが、理論モデルで得られた結果により以下の順で空港使用料が高いことがわかる。両地域の空港が民営化されている場合の空港使用料、地方政府運営と中央政府運営が存在する場合の地方政府運営空港が設定する空港使用料、両空港が地方政府運営の場合の空港使用料、両空港が中央政府運営の場合の空港使用料、地方政府運営と中央政府運営が存在する場合の中央政府運営空港が設定する空港使用料。運営主体によって目的関数が異なり、直面するインセンティブの違いがこれらの違いの生じる源泉である。また、空港使用料と旅客数に負の関係が存在することもわかっており、空港運営主体と旅客数の関係をこれらと同様に分析出来る。特に地方政府管理空港は中央政府管理空港と比べ旅客数が少なくなることがわかる。
実証分析では、空港運営主体の違いによる各空港の輸送量(旅客数や便数)の違いに注目した分析を主に行っている。これまでわかったことで、上で述べた内容と関連するのは、国管理空港ではその所在地の人口が増えるほど輸送量が増える一方で、地方管理空港では人口と輸送量との間に有意な相関がみられないことである。このことは、地方政府が運営する場合に、その地方の人口が多いほど輸送量を減らす何らかの力が加わっている可能性を示唆する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ当初の計画通り研究できている。

今後の研究の推進方策

今年度は、今までの分析に加え航空会社間の競争が地方政府間の競争などへ与える影響を理論モデルにおいて分析し、得られた結果を実証分析の結果と合わせ精査していく。特に、空港管理主体のそれぞれの組み合わせの元で人口と空港使用料、人口と輸送量の関係について集中的に分析する。その後に社会的に良い結果をもたらす政策的方法、例えば民営化した方が良いパターンとそうではないパターンの提示や最適な補助金などを考察・分析する。
実証分析については、より信頼性の高い結果を得るため、変数の追加など適宜データセットを拡張して分析を深める。その際には、北海道大学の大学院生にRAを依頼する予定であり、既に内諾を得ている。
これら分析を進めることと同時に、今後は研究会などにおいて研究を発表し、研究を改善する機会を持ちたいと考えている。しかしこの点については感染症の影響で学会や研究会の開催が不透明であるため、発表についても実施できるかは不透明である。

次年度使用額が生じた理由

札幌学院大学学内の研究助成金も同時に獲得することが出来たため、支出計画を一部変更した。感染症の影響で学会や研究会への参加旅費がどうなるかは不透明だが、今年度の旅費や研究に使用する機器・ソフトウェアのために支出する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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