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2019 年度 実施状況報告書

海外進出に向けた差別化と協調のための投資

研究課題

研究課題/領域番号 19K01609
研究機関東北学院大学

研究代表者

倉田 洋  東北学院大学, 経済学部, 教授 (60411245)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード差別化 / 産業立地 / 経済厚生 / 基準認証制度 / 外部性 / 調和
研究実績の概要

1. 垂直的産業での産業立地と経済厚生
差別化された中間財部門と同質的な最終財部門で企業が立地を決定する南北貿易モデルを用いて、垂直的産業における産業立地および経済厚生に関する論文を作成した。当初、最終財部門・中間財部門ともに企業が先進国に存在する状態を想定し、財の輸送費用の低下を考える場合、ある水準で組み立てが中心である最終財部門は途上国に移動し、高度な技術が櫃王となる中間財部門もそれに伴って移動する。さらに輸送費用が低下すると、中間財部門の一部が先進国に移る。このような移動により、先進国は一時的に経済厚生が悪化する可能性があるが、輸送費用が十分に低下すると、先進国・途上国ともに経済厚生が改善しうる。本研究成果は査読付き海外学術雑誌に掲載された。
2.基準認証制度と国際貿易
国際寡占の3国モデルを用いて,各国で独自に決められている基準認証制度が地域的調和・グローバルな調和に向かう可能性について理論的に考察する論文を作成した。基準の厳格化は、消費に伴う負の外部性を減少させる一方、企業の生産費用を上昇させる。地域内・世界全体の費用が均一化させる基準の地域的調和・グローバルな調和のもとでの経済厚生について「コア」の概念を用いて比較した。グローバルな調和がコアになるのは負の外部性が国境を越える程度が低い場合のみで、多くの場合,地域内での基準の調和がコアになる。この結果は、地域内の基準の調和がグローバルな調和を阻害する可能性があることを示唆している。本研究成果は査読付き海外学術雑誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究計画で示した、差別化・協調に関連する研究が、査読付き海外学術誌に掲載された。また、これまでに、差別化に向けた投資、協調に向けた投資に関する文献調査および理論分析が進められており、作成した1本の論文が海外査読誌に投稿・審査中である。

今後の研究の推進方策

昨年度実施した研究成果の海外学術誌への掲載を目指すとともに、関連したテーマについてさらに研究を進める。
今年度以降実施する研究については、関連研究の資料収集を進め、早急に課題の洗い出しを行うとともに、予備的計算・準備に着手する。研究成果を作成し、国内外の学会・研究会で報告を行う。関連する研究分野の専門家からの評価・アドバイスを受け、必要な修正を行う。最終的に、海外学術誌に研究成果と投稿する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大により、予定されていた海外での研究会が中止となったため、予定されていた使用が不可能となった。
残額は、2020年度分の科研費と併せ、シミュレーション分析に必要なPCおよび解析ソフトウェアに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Standard policy and international trade: Multilateralism versus regionalism2020

    • 著者名/発表者名
      Takarada Yasuhiro、Kawabata Yasushi、Yanase Akihiko、Kurata Hiroshi
    • 雑誌名

      Journal of Public Economic Theory

      巻: forthcoming ページ: 1-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vertical specialization in North-South trade: Industrial relocation, wage and welfare2019

    • 著者名/発表者名
      Kurata Hiroshi、Nomura Ryoichi、Suga Nobuhito
    • 雑誌名

      Review of International Economics

      巻: 28 ページ: 119-137

    • DOI

      10.1111/roie.12444

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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