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2021 年度 実績報告書

海外進出に向けた差別化と協調のための投資

研究課題

研究課題/領域番号 19K01609
研究機関東北学院大学

研究代表者

倉田 洋  東北学院大学, 経済学部, 教授 (60411245)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード差別化 / アグリツーリズム / 製品基準 / 調和 / 環境投資 / 暗黙の協調
研究実績の概要

1. アグリツーリズムの経済効果
差別化の1例として昨年度行った、生産による環境への外部性がある途上国におけるアグリツーリズムの経済的影響に関する成果が2021年7月に出版された。この分析方法を応用し、先進国のアグリツーリズムの経済的影響について検討を行った。途上国からの労働流出が望ましいという以前の結果より、先進国への労働流入は経済厚生を下げることを予想していたが、労働流入はむしろ経済厚生を高め、環境についても改善させることを明らかにした。また、農産物と観光サービスの比率を高めることが、経済厚生、環境の面で望ましいことも示された。本成果は、学会報告及び学術雑誌への投稿に向けて準備中である。
2. 製品基準と自由貿易協定
国際寡占の3国モデルを用いて、自由貿易協定(FTA)が製品基準および経済厚生にどのような影響を及ぼすか、基準の調和がFTAの経済的インパクトにどのように影響するかについて検証した。分析の結果、FTAは基準を厳格化すること、FTA加盟国の経済厚生は増加するとは限らないが、非加盟国の経済厚生は増加すること、基準の調和はFTAの経済的インパクトを大きくすることが明らかになった。本成果は、査読付き学術雑誌に掲載された。
3. カント均衡の性質
企業の自主的環境投資に注目し、個人の暗黙の協調によって導かれるカント均衡の投資と、先行研究で主に用いられているナッシュ均衡の投資、そして社会厚生が最大となる投資の水準を比較した。分析の結果、カント均衡の投資は、他企業の環境被害に対する不効用が存在する限り、ナッシュ均衡の投資よりも大きくなること、ナッシュ均衡投資は常に社会厚生最大化投資を下回るが、カント均衡投資は、等しい場合も、上回る場合もあることの2点が示された。本成果は、代表者所属機関のディスカッションペーパーとして公開され、現在、査読付き学術雑誌に投稿、審査中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [国際共同研究] McGill University(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      McGill University
  • [雑誌論文] Domestic product standards, harmonization, and free trade agreements2022

    • 著者名/発表者名
      Yanase Akihiko、Kurata Hiroshi
    • 雑誌名

      Review of World Economics

      巻: forthcoming ページ: ―

    • DOI

      10.1007/s10290-021-00446-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Corporate Environmentalism: How do Kantian equilibrium and Nash equilibrium differ?2022

    • 著者名/発表者名
      Kurata Hiroshi、Long Ngo Van
    • 雑誌名

      TGU Econ Discussion Paper Series

      巻: #2022-1 ページ: 1-14

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Agritourism, Unemployment, and Urban-Rural Migration2021

    • 著者名/発表者名
      Kondoh Kenji、Kurata Hiroshi
    • 雑誌名

      New Frontiers in Regional Science: Asian Perspective

      巻: 48 ページ: 25~42

    • DOI

      10.1007/978-981-16-1232-9_2

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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