研究課題/領域番号 |
19K01610
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研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
荒井 弘毅 秀明大学, 総合経営学部, 教授 (30362594)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 建設業 / イノベーション / AI、ビッグデータ / 範囲の不経済 |
研究実績の概要 |
この研究は,社会科学の経済学分野における経済政策領域の産業組織論における特に実証産業組織論の方法を用いるものである。研究の全体像としては,まず,先行研究を整理して,理論的検討を行い,収集したデータを分析して予備的な結果を得る。予備的な結果を得た後,積極的に同僚研究者と議論を行い,学会報告を進め,それらにおいて得られたコメントを踏まえて論文を推敲し,最終的に査読ジャーナルへ投稿し,掲載を目指す。これらでは並行して幾つかの問題意識に取り組むとともに,結果について順次積極的に広報を図っていく。 加えて、事業者の行動・競争の状況に関する経済分析・実証研究の手法の進化も進め、AIやビッグデータの競争における異議について、論文をまとめ、公表した。 さらに、実際に研究で得られた知見である建設産業において範囲の不経済が存在することを論文にまとめ公表した。同稿は,公共調達における工事区分を事業者の事業の範囲と捉え,範囲の経済の有無・原因・影響について調べたものである。2006年度から2012年度までの北海道開発局の調達データを用いて,工事区分の数等が,落札の状況・入札率・落札率に及ぼす効果を推計した。結果としては,ある事業者の参加する工事区分の数が増えるとその事業者があるプロジェクトにおいて落札できる確率は減っていた。これは,工事の規模・参加者数をコントロールしても同様であり,事業者単位の分析でも参加工事区分の数が増えると落札できる確率は減るところは同じであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,社会科学領域の経済学における経済政策分野の産業組織論に属する研究である。中でも,理論的検討をデータに基づいて実証的に検証し,それを踏まえた戦略策定と政策提言を目指すものである。 本年度も引き続き、分析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行った。 ここまでの整理に基づいて、データベースを作成し、公表も視野に入れてデータクレンジングを行っているところである。 他方、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会生産性小委員会の場を活用し,研究成果を議論するとともに,情報収集・課題発掘を行うこととしていたが、諸般の事情により小委員会のプロセスははそれほど進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行うこととする。また、ここまでの整理に基づいて、データベースを作成し、公表も視野に入れてデータクレンジングを行い、公表できるデータベース策定を目指すものとする。 また、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会生産性小委員会の場を活用し,研究成果を議論するとともに,情報収集・課題発掘を行おうとしていた。本年になって新型コロナ感染症の感染拡大など状況を踏まえつつ、オンラインでの開催や、そのほかの方法を考えつつ小委員会のプロセスも進めることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月、3月とまとめて使用を考えていたものの、新型コロナ感染症の感染拡大等により使用を取りやめたため
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