本研究の目的は,建設業におけるイノベーションの発生過程とプロセスを明らかにすることである。入札データ,経営事項審査等公開されているデータを計測・整理し,イノベーティブな企業の特徴をデータに基づいて検証し,イノベーション促進のために必要な要因を明らかにした。近年,建設産業では生産性向上が大きな課題となっているが,イノベーションの創出はその鍵となる。産業組織論ではイノベーション研究は理論・実証とも大きな進展が見られており,これを建設業に応用し,必要な課題に対応することを考えた。結果、需要規模の拡大が革新的企業の発生に有意な正の効果を持つこと、特に需要総額と受注件数が重要であることが検証された。
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