研究課題/領域番号 |
19K01617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 神戸大学 (2021) 大阪産業大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
福井 清一 神戸大学, 国際協力研究科, 名誉教授 (90134197)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小口医療保険 / 離散選択実験 / クラウディング・アウト |
研究成果の概要 |
本研究では、カンボジア農村を対象に、潜在的小口保険需要者の選好の異質性、他の保険機能を有する制度(貯蓄組合など)の影響を考慮したうえで農村調査により収集したデータを用い、離散選択実験の手法を用いて潜在的保険需要者に受容可能な代替的保険スキームへの支払い意思額を推計し、被験者のリスク選好、時間選好、および、貯蓄組合への加入・不加入などの属性が、支払い意思額にどのように影響したかを検証した。 その結果、貯蓄組合への参加が、小口保険への参加に対してクラウディング・アウト効果を持つこと、および、現在バイアスが保険加入を促進することが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
開発経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、貯蓄組合への参加や、小口医療保険への参加は、農村の貧困層が種々のリスクを回避するために普及が試みられてきたが、これらがクラウディング・アウト効果を持つということは、ほとんど考慮されてこなかった。今後は、このようなクラウディング・アウト効果を考慮した農村の貧困削減政策の設計が必要となることを示した点で意義があると考える。 また、従来の研究では、現在バイアスが保険加入にマイナスの影響があると考えられてきたが、本研究の分析結果は、現在バイアスが逆の効果を持つことを示唆するもので独自性があり、学術的な意義をもつと考える。
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