伸び続ける薬剤費の抑制は各国共通の政策課題である。日本も薬価基準改定、診療報酬改定を通じて、患者、医師に対して、より安価なジェネリック医薬品の使用を促すインセンティブ政策を導入してきた。結果として、ジェネリック医薬品の使用割合は2007年の34.9%から2017年には65.8%へと大幅に増大したが、患者、医師いずれへのインセンティブがより有効だったかは明らかではなく、実証的な課題として残されている。この実証的な課題への回答を提示する本研究の分析結果は学術面への貢献のみならず、ジェネリック医薬品の更なる普及に向けた、今後のインセンティブ設計に対しても重要な知見を提供する。
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