研究課題/領域番号 |
19K01623
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 雅資 東海大学, 政治経済学部, 教授 (30458947)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自然資源 / COVID19 |
研究実績の概要 |
2016年から2022年末にかけて豊洲市場における魚種別オークションの結果を月次でみると、取引量は回復傾向にあるものの、2023年前半についてもコロナ禍前の水準には戻っていないことがわかった。この傾向はほぼ全ての魚種で共通であった。その一方で、売上はコロナ前の水準をほぼ回復しているが、この背景には平均価格がほぼ全ての魚種で増加していることがある(価格は魚種別に平均値を高値・中値・低値などに分けて記録されている)。
2020年度の最初の緊急事態宣言の影響を、日次データを使って、Regression Discontinuity Design (RDD: 回帰不連続デザイン)の方法で分析した際は、比較的高価なマグロ(生鮮・冷凍)、マダイ、キンメダイ、クルマエビなどを対象とし、一部のみ価格下落が見られた。今回、2回目(2021年1月7日)、3回目(2021年4月23日)についても、バンド幅を変更したり、カットオフポイントを曜日を考慮して変更するなどの工夫をしながら、同様の分析を実施したが、有意な価格下落効果は観察されなかった(ただし、分析できたのは一部の魚種の特定の価格帯に限られている)。
時系列のオークション結果の記述統計の可視化を行うと、2022年末のインバウンド制限の緩和以降は平均価格上昇の傾向が顕著になりつつあるが、明確なカットオフポイントが定めにくいため、緊急事態宣言の影響と同様の回帰不連続デザインによる分析には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部の魚種の日次データに不備があり、データセットの構築に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
3回の緊急事態宣言を対象としたため、魚種や価格帯との組み合わせを考えると膨大なケースを実施することになったが、これらの推定をなるべく早く完了し、綿密に比較することで特徴を捉えた分析結果を論文としてまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルの影響で当初想定していた今年度の海外の学会での報告ができず、旅費が大幅に減少したため、次年度使用額が生じた。
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