研究課題/領域番号 |
19K01624
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 篤行 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (10470064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自由貿易協定 / 対外直接投資 |
研究実績の概要 |
研究初年度は、1)研究協力者とそれぞれが行う研究について情報交換をし、全体の方向性を定めること、2)それに基づき経済産業省に企業データの使用申請を行い、入手したデータを本研究参加者全員が使用できるようにすること、3)今後の日本企業現地法人に対する現地調査について対象国、調査内容を具体的に決めて交渉に入ること、4)今年度中の成果の報告会を行うことを計画していた。このため、研究初年度から論文を発表することは基本的に計画されておらず、現時点でに本研究会代の成果として報告された論文はない。一方でデータの利用申請を着実に行い、データについての勉強会、および本年度の研究進展に関するセミナーの開催は実施している。したがって、本年度の研究実績としては、データの利用に関する勉強会の開催およびスキルの習得と研究成果に関する中間報告会の開催を上げることが出来る。これらを通じて、研究の方向性については研究代表者および兵庫県立大学の西山教授、新潟県立大学の鎌田教授の共同論文としてライセンスや外注を取り入れた理論モデルを用いて自由貿易協定の効果を分析するという方針を纏めることが出来た。また、他の研究協力者についてもそれぞれインドおよび東南アジアのデータを用いた企業レベルの生産性と愉輸入についての分析を行うことを確認した。データ利用に関しては、データ使用者全員が経産省企業データの特徴と使用における注意点を理解することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画初年度は、研究協力者と理論における問題点の整理および企業データ取得と予備的分析を行い、日本企業海外現地法人への調査に関する具体的な計画を立てることを予定していた。この内、理論における問題点の整理については、前回の科研費研究の成果の取りまとめと並行して行うことで一定の成果があり、企業データについても経済産業省から使用許可を得たため、研究協力者を集めてデータ使用に関する勉強会を行い、それぞれが自身のプロジェクトを進められる段階に入ることが出来た。一方で、経済産業省のデータ申請手続きに変更あったため申請は当初予定より2か月遅れたうえ、新型コロナウィルスの感染拡大により日本企業海外現地法人に対する現地調査については予定を立てられない状況になった。そのため、当初予定の一部は実行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定に合わせて、経済産業省の企業データを用いた分析を進め、今年度中に成果として論文を1本以上発表する。これについては、年度内に2回以上セミナーを行って研究進度と方向性の確認を行う。日本企業現地法人に対する現地調査については、新型コロナウィルス感染が収束したのち速やかに行えるように準備を進める。可能であれば成果の論文については学会報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大により現地法人現地調査について計画が立てられなくなったため、旅費支出が行われなかった。今年度については、これまでに入手した企業レベルデータを用いた分析を進め、対面式の研究会が可能になった段階で研究会を開催し、さらに状況が改善されれば海外報告も積極的に行う予定である。
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