研究課題/領域番号 |
19K01633
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
白石 麻保 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (40425004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 開発ミクロ経済学 / 企業金融 / ゾンビ企業 / 中国 |
研究実績の概要 |
中国民営企業の中で、本来ならば市場から淘汰されるはずの(競争力が低い)企業が残存しているか否かを、日本におけるゾンビ企業の存在を解明した先行研究の流れを踏まえつつ、明らかにした。その際、これまでゾンビ企業の定義とされていた諸要素が、企業の生存確率を上げるファクターとして働いているかを実証的に検証した。その結果、中国においても、従来国有企業についてそのゾンビ化が指摘されていたが、民営企業にもゾンビ企業の存在が見られることが明らかとなってきている。但しこの知見は先行研究の蓄積などからみても実証的にはまだ検証が続けられるべきであるため、今後、さらなる検証を進める必要がある。 イノベーションへの投資、取り組みが企業の市場での存続に寄与するかどうか、またそのための資金配分は適切に行われているか否かを実証的に明らかにする取り組みを行っている。 そしてその際にどのような変数選択がなされるべきか、検討を進めている。 これらの作業の一部は、成果として取りまとめられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地でのフィールドワークを実施し、また海外の近接領域の研究者との交流を行うという本来の計画は、Covid 19の世界的流行に伴い頓挫している。リモートにより補完的な交流は行っているが現地の経済実態の把握という点は大きく遅れており、それにより実証分析の進捗にも影響が出つつある。そこで上記の区分と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
現地でのフィールドワークの実施が当面難しいことを踏まえ、当面は現地理解に対してはそれ以外のアプローチを考える。 分析の進捗の遅延が渡航の困難性以外に及ぶことがないよう、出来る限り実証分析を進めていく。具体的にはデータ整備を進め、中国における一部民営企業のゾンビ化の有無について国有企業を視野に入れながら分析を進める。そしてさらにその背景、市場への影響についても分析をおこなっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
中国でのフィールドワークの実施が2週間程度を2回をめどに研究計画で予定されており、その旅費・滞在費を計上していたが、Covid 19の世界的流行によりそれが不可能となった。そのため次年度使用額が生じた。
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