本研究の目的は中国において市場から淘汰されるべき競争力が低い企業が何らかの背景のもとに市場に残存する実態とその背景の実証的解明にある。日本を対象とするゾンビ企業の研究をはじめとする先行諸研究が定義するゾンビ企業の特徴に適合する民営企業の存在の有無を、中国において実証的に検討することによりその存在が明らかにされた。そしてその民営企業のゾンビ化の契機、背景については取引企業からの与信が企業の市場への残存確率を高める傾向があることが見出された。 本来市場での生存競争が厳しかった中国民営企業のこのような市場における変容を踏まえ、今後は変容の具体的の内容の検討とそれに基づく政策提言が必要性である。
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