本研究では、国際企業レベルのデータセットと環境政策の厳しさ(EPS)指数を用いて、強いPorter仮説(PH)を検証した。確率的フロンティア分析によってEPSが企業の非効率性に与える影響が分析された。EPSの総合指数だけでなく、直接規制、税、排出量取引、R&D補助金による非線形の影響も検証した。内生性に対処するため、予測EPSを推計に採用した。EPSがそれぞれの閾値を超えた場合、総合指数と個々の環境政策手段で強いPHが成立することが示された。また、政策別、産業別の実証結果も定性的にはほぼ同じであった。この結果は、環境規制が一定水準以上に強化された場合に強いPHが成立することを裏付ける。
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