| 研究課題/領域番号 |
19K01661
|
| 研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
高橋 理香 法政大学, 経営学部, 教授 (60438786)
|
| 研究分担者 |
矢野 誠 上智大学, 上智大学, 教授 (30191175)
|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
| キーワード | Trade Liberalization / Rice / Maekawa Report / Minimum Access Rules / CGE Analysis / Structural Reforms |
| 研究実績の概要 |
本研究は、1986年に提言された前川リポートの構造改革案とその後の農業改革に焦点をあて、日本のコメの貿易政策の転換が日本経済にどのような影響を及ぼしたのか、応用一般均衡モデルを用いて、1985年および2005年と直近の2015年の日本の市場構造と社会厚生の変化について定量的な分析を行っている。その結果、コメの貿易政策が転換された85年~05年には、農業市場、中でもコメ市場の構造が大きく変化し、社会厚生が改善したことが明らかとなった。この結果は、国民生活の質の向上を目標に日本の農業規制の緩和を提言した前川リポートの提言がコメの貿易自由化によって実現されたことを示すものである。 最終年度は、The Liberalization of the Japanese Rice Marketのタイトルの論文について、主に以下の改訂を行った。 1.モデルを大幅に変更し、原材料(上流)・加工(中流)・流通(下流)による三段階のプロセスをモデルに導入した。 2.各段階の労働・資本の投入額をデータとモデルから算出し、三段階の社会会計表を作成してカリブレーションを行った。 既存研究に無い、生産・流通プロセスを考慮したモデルと社会会計表を用いたことで、各産業のどのプロセスで構造改革がどう進んだのかを明らかにできた。その結果、他産業に比べてコメは生産の中流で生産性が極めて高く上流と下流で極めて低いこと、どの段階でも貿易政策の転換期(85~05年)にコメの資本投入割合は減って日本の農業の課題として知られる過剰資本が解消されて生産性が伸びたこと、その後のコメの生産性は以前ほど伸びていないこと、どの時期にもコメの上流では労働の限界生産性が低く市場の歪みが存在するが、次第にその歪みが小さくなったと考えられること、が明らかとなった。これらの内容をまずはディスカッションペーパーとして公表したいと考えている。
|